円乗院は鎌倉幕府の武将畠山重忠が建久年間に道場村に堂宇を創建。慶長年間に中興の祖賢明上人が現在地に移建した。延宝6年に京都仁和寺の直末寺(本尊直属の末寺)に指定され、ついで寛延2年談林格(僧侶の学問所)に昇格、当地方の真言宗の重鎮となった。
与野領には寺院が38寺存在したが、内23寺が円乗院の末寺であった。文久2年2月16日与野町の大火に見舞われた。本堂をはじめ由緒ある建物のほとんどが焼失したが、慶応3年再建された。
円乗院には、与野最古の庚申塔や六観音石憧、石造地蔵菩薩や丸家墓地の石造地蔵菩薩、無縁仏の墓石塔である万霊塔などの古い石造物がいくつかある。また、弘法大使1150年御遠忌記念事業として、多宝塔が昭和56年に建立。日本3大塔の1つ(30m)。
千代桜は樹齢250年のひがん桜である。旧市指定天然記念物(別名イトザクラ)その他、井原家の宝篋印塔(ほうきょういんとう)がある。 |